“トケイヤkitchenおもてなし”のnoteを読んでいただいているかたはご存知かと思いますが、いわゆる“ニッポンの洋食”が大好きです。
作るときも自分の食べたいものを作ると洋食になりがちで、煮物やおひたしみたいな和食も好きなのですが、ついついオムライスとかハンバーグ、フライものの頻度が高くなっています。
そんな洋食好きの自分ですが、コロナ禍の中、食生活にちょっと変化がありました。といっても食べているメニューには大きな変化があるわけではありません。変わったところは休日の昼食の取り方。
コロナ以降の休日ランチ
コロナ禍以前、休日のお昼はもっぱらおうちごはんでした。朝寝坊してもランチの自炊もゆっくりと準備する時間もあるので、午前中をのんびりすごしながら食べたいものを考えて、それが決まれば買い物にいって、そしてお昼を目指して作っていたのですが、日々伝えられるコロナ関連のニュースにある決心をしたのです。
食べることが興味の中心の自分にとって、飲食店さんの夜の営業が制限される状況はけっこうインパクトのあるできごとでした。夜って、お酒を飲むお客さんもいるし、そもそもランチよりお客さんの単価が高いと思います。そんな稼ぎどきに営業が制限される事態は、大変なことだと思ったのです。
ちょうど在宅勤務が増えてちょっと体重が気になっていた時期でもありました。運動と外食ランチをあわせることで、自分の体調管理にもなるし、ささやかですが飲食店さんの応援もできるかもしれないと思い、休日のランチは目的のお店を決めて、そこまでできるかぎり歩く。そしてランチを食べる。食べたらまた歩く。ある日、そう決めたのです。そしてそのジャンルは自分好みの洋食屋さんがメイン。
早や2年が経ちましたが、今も休日ランチのその習慣は続ています。いつしか休日の歩数は10000歩~15000歩というのがデフォルトになりました。そんな中でめぐった洋食屋さんの中には、くりかえし訪れている個人的なお気に入りもできました。
🍽お気に入り洋食店5選
今回はそんなお気に入りの洋食屋さんを都内メインに5店紹介します。もちろん食べて美味しいだけでなく、いずれもなんとかこの料理を再現してみたいという、作る側の視点も刺激してもらったお店です。
日比谷 松本楼
こちらは老舗の洋食店。オーセンティックで格調高い、ちょっとハイソな洋食屋さんです。メニューにある“〆のミニカレー”が素晴らしくて、たとえばメインにハンバーグを単品で注文して、ミニカレーをライス代わりに頼むのが好きです。このカレー、懐かしい感じがするけど、おうちカレーとはひと足もふた味も違う本格洋食の格調高さを感じて毎回すごいなぁと思います。いつか再現チャレンジしたいのですが、まだまだヒントもつかめていません。お店は第二回江戸川乱歩賞の授賞式の会場でもあったということで、建物も荘厳な感じを受けます。物書きを目指していた時代の合った自分には、とにかくそれだけで憧れです。
池袋 キッチンABC
池袋の2店舗がけっこうテレビにもとりあげられている人気店。ハンバーグがソースも含めて美味しいです。ただそれだけではなく、汁物が味噌仕立ての豚汁だったりチキン南蛮が人気だったり、お店を代表するひと品“オリエンタルライス”が醬油ベースのぶっかけめしみたいな料理だったりと、洋食屋さんと定食屋さんのハイブリッドな感じで、親しみのあるお料理が魅力です。毎日食べても食べ飽きない料理、でもおうちの味とは違う、みたいなクセになる感じの料理がずらっとラインナップしています。ちなみに付け合わせはキャベツの千切りをメインにした生野菜がメインなのですが、テーブルに置かれているドレッシングがとても美味しいです。あの味をトケイヤkitchenでも再現したいと、試行錯誤をくり返しました。
川口 キッチンオニオン
東京都北区赤羽の隣町、埼玉県に入ってすぐの川口の洋食屋さんです。明るくてモダンな店内ですが、親しみやすい雰囲気で、オープンと同時にいつもにぎわうお店です。お料理はハンバーグやフライ、ポーク焼肉など定番の品々で、お味噌汁にお茶碗盛りのごはんなど、定食屋さん的な安心感があります。特徴的なのはハンバーグのソースが2種類あることと、フライの衣の食感。ハンバーグのオニオンソースとマヨ系のソースはけっこう印象が違うので、このハンバーグ2種類の合い盛りも人気です。そしてフライの衣のザクザク感。クリスピーさがきわだっていて食べ応え満点です。あの衣はどうやれば再現できるのかなと、食べるたびに考えています。
有楽町 キッチン大正軒
有楽町にある交通会館。地下に降りると、各県のアンテナショップにギャラリー、レストランがずらっと並んでちょっとしたマルシェのようなエンターテインメント感があって、なかなか楽しい場所です。その奥にある小さなお店がキッチン大正軒さんです。人気のメニューは盛り合わせスタイル。洋食の盛り合わせってわくわくしますよね。軸になるのはハンバーグとしょうが焼きで、そこにフライものを選んで合わせる感じです。このお店のハンバーグはソースで煮込んだスタイルでふっくらしていて、カリッとした揚げ物の食感との対比が楽しめます。あと、各席に中濃ソースだけではなくウスターもセットされていてソースが選べたり、細く切ったたくあんが用意されていたり、ごはんに合う洋食屋さんです。ひと品どれかを再現したいというより、そういうセッティングなども含めて、トータルで再現してみたら楽しそうだなと思うお店です。
上野広小路 厳選洋食さくらい
洋食の洋食ならではの魅力にデミグラスソースがあると思うのですが、自分にとってここはそのデミグラスソースのエースです。かつて京都にあった洋食屋さんのデミグラスソースに感動して以来、デミソース大好きなのですが、そのお店は廃業されてしまい、あの味は記憶の中に閉じ込められてしまっていました。その記憶の扉を開いてくれたのが、さくらいさんのソースです。あの黒くて濃厚で、でも重くないソースはいつか再現してみたいと思っています。それができれば、想い出の味を自分のレパートリーにできるという夢がかなう気がしています。お料理は盛り付けも含めて、ランス料理をニッポンの味に換骨奪胎したスタイルで、お店の雰囲気も瀟洒なので、ちょっと特別な日の会食にもおすすめです。御徒町駅のすぐそばに、カジュアルスタイルの2号店もあって、こちらも人気です。
さ~て次回のトケイヤkitchenは
トケイヤkitchen、ことしメインの活動のスペースになっているnoteでは、自分で作った料理をテーマにしているので、なかなかこういう記事を書く機会がなかったのですが、今回Medyという新しい場をいただけたことで、目新しい話題になりましたが、いかがでしたでしょうか。
いろんなお店をめぐるようになって、あらためて自分は食べることが好きなんだなと再認識しました。そして食べながら、これってどうやって作ってるんだろう、何を使っているんだろうと考えている自分にも気づきました。食べることを楽しみながら、気に入ったひと品にはひと口、またひと口、インスパイアされているんですね。
さ~て、というわけで、次回はきょうの記事で紹介したお店のメニューの中のアレをトケイヤkitchen流にアレンジしつつ、再現チャレンジしてみたお話をお届けしたいなと思っています。
んがんぐ。